新しいリモコンがすぐに動かなくなる理由と、電池ケースの中で起きていること

リビングのソファでくつろぎながらテレビに向けてリモコンのボタンを押しても、画面はまったく反応しません。何度押してもチャンネルが変わらないとき、私たちはすぐに「リモコン本体が寿命を迎えて壊れたのだ」と判断し、家電量販店やネット通販で新しい代替リモコンを購入して、古いリモコンをゴミ箱へ捨ててしまいます。リモコンが動かないという現象を、プラスチックの製品そのものが完全に死んでしまったと受け取るからです。数日後に届いた真新しいプラスチックのリモコンに、古いリモコンに入っていた乾電池をそのまま移し替えます。その際、薄暗い部屋で慌てて作業をしたため、二本のうちの一本の向きを逆に入れてしまいました。最初の対処として私たちが購入したのは、単なる「新しいプラスチックの箱」でした。リモコンの基盤やテレビの受信部が壊れていたわけではなく、電池の金属接点が正しく触れ合っていなかっただけなのです。

私は以前、木曜日の夜にまったく同じ勘違いをして、急いで新しいリモコンを注文しました。数日後に届いたその新しい代替品は、最初の一週間だけは快適に動作しているように見えましたが、すぐにまたまったく反応しなくなりました。テレビ本体の設定や画面には何の問題もありませんでした。原因は、どちらのリモコンの中にも、キッチンの引き出しの奥から適当に引っ張り出してきた、残量の少ない古い安物の乾電池がそのまま移し替えられていたからです。私はテレビを直した気になっていましたが、実際には、ただ空っぽの新しいプラスチックの箱を二つ目のリモコンとして買い足しただけだったのです。

もう一つの箱

新しいリモコンを箱から取り出して手にした瞬間、テレビのトラブルはすべて解決したような安心感に包まれます。もし、テレビ本体の赤外線受信窓が分厚い本や家具で完全に塞がれていたり、古いリモコンをフローリングの床に何度も落として内部の電子基板が物理的に割れてしまっていたりするのなら、新しい代替リモコンを購入するのは完全に正しい判断です。しかし、リモコンの基盤には何の異常もなく、ただ中に入っている二本の乾電池が寿命を迎えて電力が落ちていただけの場合、新しいリモコンを購入するという行為は、「寿命の切れた古い電池を収めるための、二つ目の新しいケース」にお金を払っているのと同じです。あなたは、単に真新しいゴムのボタンという部品にお金を払っているだけです。古い電池を入れたままでは、二週間後にはテレビは再びあなたの操作を完全に無視するようになります。

テレビの電源が入らなくなったとき、最新のストリーミング端末(スマートテレビのドングルなど)を新しく買い足せば解決すると思い込むこともありますが、それが役立つのはテレビ本体のシステムが完全に壊れている場合だけです。日常の風景を思い返してみてください。ほとんどの夜、テレビの画面自体はしっかりと映っており、映像は流れています。ただ、「音量ボタンだけがまったく反応しない」「特定のチャンネルだけが変わらない」という状態に陥っているはずです。それは決してテレビ本体の故障ではありません。あなたが握りしめているプラスチックのリモコンから、テレビに向けた命令の信号がただの一度も発信されていないというだけの単純な物理現象なのです。

リモコンが反応しないとき、多くの人はテレビの受信部に向けて腕を思い切り伸ばし、赤い電源ボタンを親指で強く、何度も力任せに押し込みます。しかし、ボタンを力強く押し込んだからといって、乾電池のなかに新しい電力が充電されるわけではありません。物理的な圧力をかけてゴムの接点を押し潰しても、リモコンの先端から赤外線の信号がまったく出ていなければ、テレビの前面にある小さな受信ランプが点滅して応えてくれることは永遠にないのです。

火曜日の夜、テレビの画面はすでについていました。電源ボタンを押せばテレビは消え、入力切替のボタンを押せば画面は切り替わりました。しかし、音量ボタンだけが何をどうしても反応しませんでした。このように「一部のボタンだけが効かなくなる」という現象が起きると、私たちはリモコンの内部のコンピューターが壊れたのだと思い込み、新しい箱(リモコン)を買うことが合理的な対処だと感じてしまいます。しかし、テレビは確かに起きて反応していました。ただ一つの命令だけが途中で欠落していたのです。寿命が近づき、電圧が低下した乾電池はまさにこのような不規則な不具合を引き起こします。本当に完全に壊れたテレビであれば、このような器用な反応の仕方はしません。

リビングルームで画面がついているテレビ。一部の操作だけが効かない場合、それはテレビの故障ではなくリモコンの電池電圧が低下している合図です

乾電池がしていること

テレビのリモコンは、ごく微弱な赤外線の光、あるいは近距離の無線電波を飛ばすための小さな送信機であり、そのエネルギー源は背面に収められた二本の乾電池に完全に依存しています。乾電池の電圧が少しずつ低下してくると、すべてのボタンが一斉にまったく効かなくなるわけではありません。日常的によく使う電源ボタンや、入力切替のボタン、音量ボタンなど、電力を多く消費する信号から先に反応が鈍くなります。この「一部のボタンだけが反応しない」という不規則な動作の混ざり具合が、まるでリモコンのソフトウェアが故障したかのように見せかけます。しかし、その正体は単なる「弱り切った一組の電池」にすぎません。

また、二本の乾電池のうち、一本でもプラスとマイナスの向きを逆に入れてしまうと、リモコン全体への電力供給は完全に死んでしまいます。日本のリモコンの電池ボックスは非常に精巧に作られているため、電池の向きを間違えて入れても、プラスチックのフタはカチッと問題なく閉まってしまいます。外から見れば、電池は完璧にセットされているように見えます。しかし、内部の回路が繋がっていないため、先端の送信部からは何の信号も出ません。私は以前、夜の薄暗いリビングで慌てて電池を交換した際、この単純な逆入れのミスを犯し、その後の一連の週末を「ついにテレビが壊れた」とテレビのせいにして無駄に過ごしたことがあります。

では、リモコンが動かなくなったときは、常に電池だけを疑えばよいのでしょうか。もちろん、そういうわけではありません。湿気の多いキッチンのシンクのすぐ横に長時間放置されていたリモコンや、小さな子供やペットが噛んでシリコンのボタンのパッド部分が物理的に引き裂かれてしまったリモコン、あるいはテレビ本体の赤外線受信部が、新しく買った分厚いサウンドバーによって完全に隠されてしまっている状況などは、現実に起こり得る物理的なトラブルです。しかし、そうした特殊な状況を疑う前に、私たちが真っ先に行うべき「最初の確認」は、手のひらに転がり落ちるその二本の小さな円筒形の乾電池に向けられなければならないのです。

向きを確認し、バネを拭く

リモコンの反応が悪いと感じたとき、新しいものを注文する前にまず行うべきなのは、背面の電池カバーを開けることです。中に入っている二本の乾電池を取り出し、ケースの奥にある金属のバネ(接点)を明るい場所でじっくりと観察します。もし、そのバネの表面や電池の端子部分に、白い粉のようなものがこびりついているなら、それが「真新しい乾電池を入れてもリモコンが動かない」という現象の最大の原因です。この白い粉は、古い電池から漏れ出した液が乾燥して結晶化したものであり、電気の流れを完全に遮断してしまいます。綿棒や乾いた布でその白い粉をきれいに拭き取ります。そして、使用推奨期限内の同じ種類の新しい乾電池を二本、ケースの底に刻印されたプラスとマイナスのマークの向きに確実に入れます。フタを閉じ、テレビの正面に立って音量ボタンを押してみます。もし、リモコンの先端やテレビの前面にある小さなランプがチカッと点滅したなら、今まで使っていた古いプラスチックのリモコン本体で十分に事足りていたということです。

このとき、新品の乾電池と、使い古して残量の減った乾電池を絶対に混ぜて使ってはいけません。見た目は二本ともきちんとセットされているように見えますが、古い電池が新しい電池の足を引っ張り、全体の電圧はすぐに急降下してしまいます。私は以前、少しでもお金を節約しようとして、古いペアの中から「まだ使えそうな一本」だけを残し、もう一本だけを新品に交換したことがありました。その結果、新しく買い直したばかりの代替リモコンは、日曜日になる頃にはすっかり電圧が落ち、まるで何年も使い古したかのような鈍い反応しか示さなくなりました。

また、乾電池を入れ替えたあとに、電池カバーのフタが無理やり力を込めないと閉まらない場合、それは中に入れた電池のサイズ(単三や単四など)が間違っています。フタを無理に押し込んで閉めると、内部の繊細な金属の接点やバネが曲がってしまい、二度と正しい位置で電池と接触しなくなります。その状態になって初めて、あなたは本当に新しいリモコン本体を買い直さなければならなくなります。そしてその故障は、寿命でも不良品でもなく、あなたが無理な力を加えたことによって自ら作り出したものなのです。

リビングルームのテレビボードに置かれたテレビ。リモコンのボタンを強く押し込んでも、電池の電力が回復するわけではなく、テレビは反応しません

新しい本体が本当に必要なとき

それでは、テレビのリモコンは一生買い替えてはいけないのでしょうか。決してそうではありません。接点のバネの白い粉をきれいに拭き取り、完全に新しい乾電池を二本、正しい向きでセットしたにもかかわらず、テレビがまったく反応しない場合。さらに、同じ部屋にある別の正常なリモコン(レコーダーのリモコンなど)のボタンを押してもテレビが無視を決め込む場合。そのときは、テレビ本体側の赤外線受信窓が物理的に遮られているか、内部の基盤が寿命を迎えて死んでいる可能性が高くなります。このような状況で、テレビの正しい受信窓に向けて新しい代替リモコンを購入して試すのは、極めて誠実で理にかなった対処法です。また、古いリモコンのゴムのボタンがすべてすり減り、ペコペコに柔らかくなって押し心地が完全になくなっている場合は、シリコンパッド自体の寿命です。乾電池をいくら新しくしたところで、すり減ったゴムの接点が勝手に再生して生えてくることはないからです。

最近のテレビであれば、スマートフォンの専用アプリをリモコン代わりにしてテレビと通信し、操作を受け付けるかどうかをテストすることができます。もしスマートフォンのアプリからは正常に電源が入り、チャンネルも変わるのに、プラスチックの物理リモコンからは一切操作ができないのであれば、迷わず物理リモコンの背面の電池カバーを開けて電池の確認に戻ります。しかし、スマートフォンのアプリからも、新しい電池を入れた物理リモコンからも、テレビが一切の操作を受け付けない状態に陥っているなら、これ以上新しいリモコンを何個も買い足すのはやめ、テレビ本体の故障や買い替えを疑う段階に来ています。

市販されている各メーカー共通の「汎用リモコン」を使用する場合、必ずテレビのメーカーに合わせた独自の信号コードを入力して設定する必要があります。買ってきたばかりの何も設定されていない真っ白な状態の汎用リモコンを押して反応しないことを、「電池が切れているからだ」と誤診してはいけません。必ず新しい乾電池を正しい向きで入れたあとに、説明書に従ってメーカーコードの設定を行います。この順番を逆にしてしまうと、「電池を入れ替えても動かない不良品だ」と勘違いし、買ってきたばかりの汎用リモコンが入った買い物袋が、ダイニングテーブルの上に放置されたまま永遠に使われないという悲しい結果を招きます。

先に引き出しの中を確認する

テレビの音量ボタンが効かなくなってイライラしたときは、スマートフォンでネット通販のアプリを開いて新しいリモコンを検索するよりも先に、手元にあるリモコンの裏蓋を開けることが最優先です。二本の乾電池を取り出し、金属のバネの汚れを確認し、新しい電池と交換する作業は、ほんの一分で終わります。新しいリモコンを注文して自宅に届くのを一週間も待ち続けたとしても、届いたあとに結局また、自分で新しい電池を探してセットしなければならない手間は同じなのです。

もちろん、新品の乾電池を入れたからといって、その古いプラスチックのリモコンがこれから先何年間もずっと壊れずに長持ちするとは限りません。ソファのクッションの下敷きになって毎日押し潰されているような過酷な環境にあるリモコンは、いずれまた物理的に壊れて動かなくなります。重要なのは、問題が起きたときに「一番最初に開けるもの」の順番を変えるということです。新しいリモコンが入った箱を開けるのは、リモコン内部の電子基板が完全にショートして壊れたときだけです。新しいテレビを注文するのは、テレビがスマートフォンのアプリからもリモコンからも、一切の命令を聞き入れなくなったときだけです。そして、リモコン背面の電池カバーの小さな扉を開けるのは、「音量ボタンだけがなぜか効かなくなった」と感じた、まさにその夜に行うべき最初の行動なのです。

私は以前、最初のリモコンが完全に壊れたと確信していたため、二つ目に買った代替リモコンのレシートを大切に保管していました。しかし後日、キッチンの引き出しの中でごちゃ混ぜになっていた古い電池のペアをすべて捨て、確実な新品の電池に入れ替えてみたところ、捨てようとしていた古いリモコンも、新しく買った代替リモコンも、両方ともまったく問題なく動作しました。そのとき無駄に買い足してしまった二つ目のリモコンの箱は、今でもリビングのサイドテーブルの引き出しの中に眠っています。それは今、誰かがソファで最初のリモコンの上に座り込んでしまって、どこにあるのか見つからないときにだけ、引っ張り出して使われています。

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